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エルベの窓 ~カフェオランジュ工房~

シュガークラフト作家 & カフェオランジュ工房 主宰 “綾部加代子” さんの工房の風景を、まるで窓から眺めた気持ちでカメラにおさめ、感じたことを書き留めています。シュガークラフト、そしてお菓子づくり、日常の出来事 までを綴ってみました。シュガークラフトはすべて砂糖で作られた世界です。お菓子は手作業で材料を吟味し、ヨーロッパの伝統菓子を中心に展開しています。エルベ川の雰囲気をイメージして。。

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『風薫る五月』。
もちろん時折吹く風は、緑の香りをのせてさわやかだけれども、日差しがきつくて。。
インドア派の私たちにとってまた過酷な季節がやって来ました。夕暮れを待って、喫茶店周りの
手入れへ。
気温も下がりすっかり日が落ち、帰ろうとしたら、ふわ~っと舞うホタルの光を発見
山に囲まれたのどかな風景、川の水がとても美しいだけに、都会では見られなくなったホタルの姿
を毎年当たり前のように、目にすることができます。

マスターが独自で厳選したコーヒー豆を自家焙煎しているだけあって、café オランジュのコーヒー
は香り高くもちろん自慢の一杯ですが、”ここのお店のお水はすごく甘くて美味しいですね~”と
言ってくださるお客様も、少なくはないのも事実。田舎に立つカフェの特権です!

そんなcafé Orangeも、今月でオープン16年目を無事に迎えることができました。
長年ご愛顧いただき、本当にありがとうございます。
製菓材料の入手困難など厳しい時代となりましたが、オープン当初のポリシーを決して曲げることなく、
『 自家焙煎コーヒー と 手作りケーキの小さなお店 』 カフェオランジュは、この先も”真の美味しさ”を
お届けできるよう努めてまいります。


”ダークチェリーのプディング”もオープン当初から、この初夏の時期限定の人気のお菓子。
唯一、変化したことは、プディングの器の大きさ。
多くの方に、ぜひもっと味わいたいとの要望から、今の大きさに量を増やされました。

もっちりとした果肉のチェリーのコンポート、爽やかな甘みのいい感じでトロッと流れるワイン色の美しい
チェリーソース。その下から現れるのは、クレーム・ド・ブリュレのような、クリーミーで質のよい味わい
のプディング
スプーンですくって一緒にいただくと、ソースとプディングのお互いの美味しさが相まって、老若男女と
幅広いお客さまに愛される一品です。




Dark Sweet Cherries Pudding by café オランジュ
ダークチェリーのプディング




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23:18 |  trackback: 0 | コメント: 0 | edit

フランスでもチョコレートが店頭であまり見られなくなったこの時期に、カラフルなパート・ド・フリュイ
が登場するそうです。
2000年にオープンしたcafé Orangeも、チョコレート作りが終盤となり、ひと段落ついた綾部さんが毎年
欠かさずこの季節に作られるのが、このフランスの伝統菓子。

歴史は古く、多くの食と文化がイタリアから持ち込まれ、同様に砂糖菓子の数々も伝えられ、フランス
各地へと広まったそうだ。とりわけ、果物が豊富であったオーベルニュ地方が発祥だとか。
コンフィチュールやマカロン、キャラメル、このパート・ド・フリュイは、砂糖菓子『コンフィズリー』の分野で、
やはり基本は保存のため。限られた季節にしか食せない果物を、いつでも果物の価値が損なわれぬよう
考え出されたのでしょう。

昔懐かしい和菓子屋さんで、羊羹や豆板が気取らず売られているようなそんな感覚で、パート・ド・フリュイ
も菓子店に並べられているので、皆さんがイメージするフランスのお高く留まったお菓子ではなく、疲れを
癒す砂糖菓子として、気楽に食していただきたいものです。
とは言っても。。まだまだ、日本では市民権を得られてない感じですが、それでも綾部さんは年に一度、
ご自身の感覚と腕が鈍らないようにと作り続けられています。

伝統菓子ですので、きちんとした伝統的な製法を忠実に守りつつ、自分なりのアイデアとテイストを盛り
込まれながら、毎年進歩しながらチャレンジされています。
多くの方が材料に大量の水あめを使用されますが、その甘味だと果物の質の良さが発揮できず、相乗効果
が出ないと、綾部さんは高価なフランスの砂糖をふんだんに使用されています。
果物のピュレは相手が果物なだけに、その時々で味の誤差が生まれるので、その都度長年の勘でレシピを
修正させれながら作業が進み、煮詰められた銅鍋は100度を超えるし、瞬時の手作業なので傍で見ている
だけでも気が抜けません。

≪甘いフルーツのゼリー≫の悪い印象を払拭する、上品な果物の美味しさをひと粒に凝縮した、美しく
色とりどりの透明菓子、”café オランジュのパート・ド・フリュイ”を、ぜひこの季節に一度、ご賞味ください







20:35 |  trackback: 0 | コメント: 0 | edit

イチゴのコンフィチュール。 

お菓子 |



フランス語でジャムのことは、”コンフィチュール”。
とは言っても、朝食のトーストに塗っていただくという日本のジャムのイメージとは、
コンフィチュールの存在はかけ離れている。ワインと共にチーズに合わせたり、料理の味付けに
使ったりと大活躍の食材で、パティシエと同様、”コンフィチュリエ”と呼ばれる職人も存在し、
フランス各地にコンフィチュール専門店が在るほど。

数年前に話題となった、フランス北東部、ドイツとの国境近くに ある小さな村ニーデルモルシュヴィル
のある『ジャムの妖精』と呼ばれるクリスティーヌ・フェルベールさんのお店にも、200種類ほどの
手作りコンフィチュールがずらりと並び、フランスでの存在価値の高さを思い知らされたことを思い出す。

一種類の果物そのものだけで作られるタイプ、数種類のフルーツとコンビネーションさせたり、はたまた
まったく別のもの(例えばショコラやキャラメル)との融合から生まれるコンフィチュールと、多種多様だ。

いちばん大切なのは、素材である果物のフレッシュ感、香り、鮮やかな色合いを損なわずに、
キーポイントとなる砂糖をうまく駆使し、”コンフィチュール”という形で閉じ込めること。
イチゴをたくさんもらった…という理由で、お鍋に砂糖を入れて苺がクタクタになるまで煮込むという、
家庭の手作りジャムとは全く別ものです。

もちろん素材となる苺も形、大きさなど厳選し、決まった農園のものだけを使用。
この美しいルービーのような輝く透明感、苺の濃縮された深い味わいに、甘酸っぱ~い香り、イチゴの
すべてを閉じ込めたコンフィチュールです。





イチゴのコンフィチュール by café オランジュ



22:52 |  trackback: 0 | コメント: 0 | edit

食の年間行事。 

日常 |

ゴールデンウィークと言っても取分け出掛ける予定がある訳でもなく、普段通り綾部家は
『食』を中心に過ぎていった。

旬の食材をいただくことをとても重要視されているので、季節の流れにそって過ごしていくと
一年はあっという間に巡ってくる。
特に春は自然の恵みが多く、料理人も旬の食材を逃すまいと、とてもお忙しだ。
居候の私にも出来るお手伝いが多く、フキの下ごしらえ、えんどう豆にそら豆の皮むき。。
と意外と私も忙しいのです。

パン部門ではいつも作るダークチェリーのデニッシュの肝心のダークチェリーを切らしていた
ため、そうだストックしてある紅玉のコンポートがあるので、今回はりんごのデニッシュを
作ってみよう!! と完成したのがこちらです 百聞は一見にしかずですね。
この立派な出来上がり、香りまでお届けできそうです~

なまの筍が手に入るうちに、手作り肉まんも作ってみよう!そうだそうだ、久しぶりにピッツァも
いいね~。。などなど、料理人も食材と時間があればあるほど、アイデアが止まらないようです。

連休中の毎年お決まりの、食の年間行事は”散らしずし”。
こちらも綾部のおばあちゃんから教わった逸品のひとつで、旬のたけのこと蕗をふんだんに使った
ものだ。料理の手ほどきを20代から義母から懇切丁寧に受けた綾部さんでも、この散らしずしは
三十路になってから教わったそうだ。
食材のそれぞれの下準備がたいへんで、手間のかかるひと品だけに、醍醐味がある一年に一度
いただく貴重な季節の味わい。

『五感で味わう、食の楽しみ』。実践するにはやはり”手間ひま”が必要不可欠、連休もキッチンと共に。





Danish Pastry by café オランジュ
りんごのデニッシュ




03:02 |  trackback: 0 | コメント: 0 | edit

まかないチョコ 『アヤベ Faivorite』。 

お菓子 |


ゴールデンウィーク中の綾部さんのミッションのひとつは、スペシャルトリュフの製作。
早めにミッションをこなしたいと連休初日に決行したものの、その日は比較的天候がよく、
むっとするくらいの室温の高い部屋でのテンパリング作業となってしまった。
今度こそ、今季最後のチョコレートづくりだ。

このトリュフは作り手自らが、食べたいテイストを吟味し、厳選されたスペシャルトリュフ。
疲れたときに食すための、来シーズンまでのストックとして作られた、言わば”まかないチョコ”。

綾部さんは自分の作った食材なら、とっても上手く、さまざまなものと組合わせてまた新たなものを
生み出す、ご自身も認める”ブレンドの達人”だ。
このスペシャルトリュフもそんなひょんな訳で、編み出されました。

ひとつめのフランボワーズテイストのブレンドのお相手はコーヒー風味のミルクチョコレートガナッシュ。
フランボワーズ・コンフィチュールの上品な酸味と、カフェの香り漂うミルキーでコクのあるチョコレート
のマリアージュ

ふたつめは王道のブレンド。
香ばしさとナッツ独特のほろ苦さを最大限楽しめるよう、”アーモンド&ヘーゼルナッツ”をロースト、
キャラメリーゼして、ミルクチョコガナッシュに混ぜ込み、チョコの中に入れ込んでいます。
疲れにばっちり効果あり究極の組合せです。

作り手も甲乙つけがたい様で、ひと箱に3ケづつ入れて『アヤベFaivorite』として、ストックされました。





Chocolat Truff " Framboise et Praline " by café オランジュ
スペシャル・トリュフフランボワーズ/ミルクプラリネ



19:43 |  trackback: 0 | コメント: 0 | edit

スズランの日 ~幸せの再来~ 

日常 |

新緑がまばゆいほどの、心地よい季節となりました。
毎年この頃に姿を現す、ピスタチオ色のカエルちゃんもキッチンの窓辺の定位置にやって来ました。

5月に入るとすぐにやってくるのが母の日、至るところで色とりどりのカーネーションが目につきます。
フランスでも5月1日が近づくと街角ではスズランの花束やアレンジメントが売られ、”スズランの日”と
呼ばるこの日は、愛する人や家族、お世話になっている方々にスズランを贈る習慣があり、そして
受け取った人は幸せになれると言われています。
16世紀ヨーロッパでスズランの栽培が始まって間もなくこの風習が生まれたそうで、1561年に
幸福をもたらす花とされるスズランの花束をプレゼントされたシャルル9世は大変喜びされたそうです。

鈴の形をした白い花はヨーロッパでは春のシンボルで、幸せを呼ぶものと考えられ、また、
『聖母マリアの涙』と喩えられることから、大切にされ、ブライダルに花嫁に贈る花としてもよく使わ
れます。
花言葉は『幸せの再来』。


私の幸せ感を味わえる事のひとつは、”然るべきものが輝きを取り戻すこと”。
骨董収集がお好きな綾部さん。ガラス系アンティークに興味を持たれた時期もあったが、今は
旧東ドイツで作られていた陶磁器に心が傾いたままだ。間違いなくこの先もずっと陶酔されたまま
であろう程、魅力がある。ひと目で素敵。。とも思うし見れば見るほどに深い魅力もある。

シュガー製作においても知らずのうちに、綾部さんの”原動力”になっているアンティーク。
世界のどこかで長年存在し続けている秘めたパワーを持つ器たちに、出来るだけ輝きを放って
ほしいと願うのは、美しいものに対する私の礼儀のようなもの。

皆が寝静まった真夜中にこっそりキャビネットの扉を開けて、緊張感に包まれながら、器をひとつ
ひとつ取り出して磨くときの、満ち足りた気分… 幸せ~
器たちが輝きを取り戻すことで、また人の目にも留まるようになり、見た人は美しさが心に留まり、
それぞれの人への『幸せの再来』。

余談ですが、なぜか真夜中に磨くときがいちばん落ち着き、しっくりきます。
やはり前世か何かいつかの時代は、ヨーロッパのお城で働いていたのかも。。

この連休は、静かに清掃ウィークの予定です。




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20:02 |  trackback: 0 | コメント: 0 | edit